4つのテスト
事務局 〒879-1506 大分県速見郡日出町3904-6
              医療法人 久寿会 鈴木病院
TEL : 0977-73-2131 FAX : 0977-73-2132
mail : jimu@suzuki-hp.or.jp
会長奥 村 元 一
副会長佐 藤  雪
幹事臼 杵 德 二
副幹事河 野 健 二
公共イメージ委員長宮 﨑 仁 史

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例会日火曜日19:00
会 場日出町ホテル&リゾーツ別府湾(例会場)
■出席報告秋吉尚康会員
会員総数15名ゲスト1名
会員出席数14名
(例会場12名
 Zoom2名)
ビジター0名
会員出席率100%(14/14)出席者数15名
前々回出席率 (5月17日)
92.9%(13/14)
修正出席率 (5月17日)
92.9%(13/14)
100%連続回数2回100%通算回数379回
出席免除会員山田滋彦会員
● メイクアップ  
   事前     
   事後     
● 欠 席 山田滋彦会員
点鍾 19:00
ロータリーソング 手に手つないで
ゲスト 古庄玄知様
ビジター  

会長の時間

日出RC会長 奥村元一

「八幡竈門神社」の歴史と現在

先週の例会ゲスト溝部 仁様の話に感化され、今日は現在宮総代を務めている、「八幡竈門神社」についてお話致します。

所在地は別府市内竈、国立別府医療センター西側の山腹に真東に向いています。創建は神亀4年(西暦727年)と全国八幡神社の中でもかなり古く八幡神社の本宮である宇佐八幡神社の直系になり2027年に1300年祭を迎えます。

祀っているのは・応神天皇(オウジンテンノウ)・仲哀天皇(チュウアイテンノウ) ・神功皇后(ジングウコウゴウ)・国常立尊(クニノトコタチノミコト)・天照大御神(アマテラスオオミカミ)・田心姫命(タゴコロヒメノミコト)・湍津姫命(タギツヒメノミコト)・市杵嶋姫命(イチギシマヒメノミコト)・素戔鳴尊(スサノオノミコト)・天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)・天穂日命(アメノホイノミコト)・底筒男命(ソコツツオノミコト)・中筒男命(ナカツツオノミコト)・表筒男命(ウワツツオノミコト)・天兒屋根命(アメノコヤネノミコト)・活津彦根命(イキツヒコネノミコト)・天津彦根命(アマツヒコネノミコト)・櫲樟日命(クスヒノミコト)・天太玉命(アメノフトダマノミコト)・経津主命(フツヌシノミコト)・武甕槌命(タケミカヅチノミコト)・建御名方命(タケミナカタノミコト)・大山祇命(オオヤマヅミノミコト)・加茂別雷命(カモワケイカヅチノミコト)・大山咋命(オオヤマクイノミコト)・高龗神(タカオカミノミコト)・倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)・大物主命(オオモノヌシノミコト)・天照大御神荒魂(アマテラスオオミカミノアラタマ)・丹生都比賣命(ニウツヒメノミコト)・金山彦命(カナヤマヒコノミコト)・日本武尊(ヤマトタケルノミコト)・宮簀媛命(ミヤスヒメノミコト)・豊姫命(トヨヒメノミコト)・カゴ坂皇子(カゴサカオウジ)・忍熊皇子(オシクマノオウジ) 以上 全国でも希な三十六神を祀っています。
神社より約1キロ北の小高い丘の上にある森の中に、八幡大神の石碑が建っています。神亀四年(727年)三月十五日に応神天皇(オウジンテンノウ)八幡大神と仲哀天皇(チュウアイテンノウ)の御神霊が遷座したと云われる神域です。当時、森の中には松の大木が地面を這ったように茂立っており、御神霊がその松に腰を掛けられたと云う事でその松を御越の松と云い、のちの御越町(現在の亀川地域)の地名の由縁になっています。
また亀川地域の名前の由来となる亀川白亀伝説には当時飢餓、飢饉が続いていた最中、西国(現在の亀川)より白亀が見つかり、朝廷に献上したところ大変喜ばれ天下の瑞祥吉兆であると、朝廷は白亀をかえした後、年号を嘉祥(848-851年)に改めたと伝えられ、以後飢餓、飢饉も収まり国が安定したとされています。
亀川中央町(亀の甲広場)には伝説の白亀塚も現存しています。亀は幸運の兆しの象徴でもあり、御神亀は毎年最も縁起の良い方角(恵方)を向き撫で拝み頂き開運、繁栄、健康、長寿等様々な御祈願をして頂くことで願い事を叶えて下さることでしょう。

2008年にはサッカーJリーグ大分トリニータのマスコット、ニータン誕生のモデルとされ同年ナビスコ杯で優勝、2021年には天皇杯準優勝と益々注目を集めています。
又、近年アニメ「鬼滅の刃」の主人公、竈門炭次郎の名前が竈門(かまど)と書く所から全国よりアニメファンが勝手に聖地として沢山訪れています。アニメが流行る以前は、いつ訪れても静かで荘厳であった境内が、現在コスプレした若者達で騒がしく盛り上がっているのにはいささか困っている次第です。

*全国の八幡神社は全て真東を向いて建っていますので、春分の日と秋分の日には朝日が正面鳥居の真ん中から神殿に向かって昇ってきます。
 

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幹事報告

本日の予定
  • 会員卓話 加賀山茂会員『個人情報保護法の改正について(小テストあり)』
本日のゲスト
  • 古庄玄知様
次週の予定
  • 6月 7日(火)新会員卓話 阿部真二会員
今後の予定
  • 6月14日(火)クラブ協議会 今期の反省
  • 6月21日(火)クラブ協議会 次年度活動計画
             大分第3グループガバナー補佐     藤本修司様(別府北RC)ご参加
             大分第3グループガバナー補佐エレクト 緒方 肇 様(別府RC) ご参加
  • 6月28日(火)会長・幹事・役員 慰労会
今週の配布物
  • 週報(第1761回分)
今週の回覧物
  • 地区事務所より『財団室NEWS 6月号』
  • 地区事務所より『第38回インターアクトクラブ年次大会のご案内』
お知らせ
  • (*)5月28日(土)玖珠ロータリークラブ創立40周年記念式典
      参加:臼杵德二幹事、吉弘秀二会員、秋吉尚康会員、石和桂子会員、
         佐藤英隆会員、鈴木貫史会員、佐藤 雪会員、加賀山茂会員
  • 別府東ロータリークラブへ就任のご挨拶
      日時:7月 7日(木)12時30分
      場所:ホテルサンバリーアネックス
      登録:宮﨑仁史会長エレクト、河野健二幹事エレクト
  • 別府ロータリークラブへ就任のご挨拶
      日時:7月 8日(金)昼12時30分
      場所:両築別邸
      登録:宮﨑仁史会長エレクト、河野健二幹事エレクト
  • 地区クラブ活性化ワークショップ
      日時:7月23日(土)昼12時30分~午後4時
      場所:ホルトホール大分
      登録:宮﨑仁史会長エレクト、河野健二幹事エレクト



例会変更
別府東RC6月 2日(木)の例会は場所変更のためホテルサンバリーアネックスにてサインMU受付します
 6月30日(木)の例会は時間変更のためホテルサンバリーアネックスにてサインMU受付します
大分臨海RC6月 6日(月)の例会は休会します
大分城西RC6月 8日(水)の例会は休会します
大分南RC6月10日(金)の例会は休会します
大分RC6月14日(火)の例会は休会します
大分中央RC6月14日(火)の例会は休会します
別府北RC6月15日(水)の例会は時間変更のためRC合同事務局にてサインMU受付します
大分東RC6月16日(木)の例会は休会します
別府RC6月17日(金)の例会は時間変更のため両築別邸にてサインMU受付します
 6月24日(金)の例会は時間変更のため両築別邸にてサインMU受付します
宇佐RC6月30日(木)の例会は年度最終例会のため、18:30~場所未定へ変更します

ニコボックス

奥村元一会長(W): 5月28日(土)の玖珠ロータリークラブ創立40周年記念式典には、その時間、どうしても外せない業務があり、欠席いたしました。大変申し訳ございません。
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鈴木貫史会員(T): 古庄玄知弁護士とは、安岐町の母の実家を介しての親族にあたります。
今回、選挙に出馬するとの話もあるようです。その時は宜しくお願い致します。
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はじめに
 わが国は,第二次世界大戦によって焦土と化した敗戦国から立ち直り,その後急速な経済発展を遂げることによって,先進国の仲間入りを果たすことができました。なによりも,国民総生産でアメリカ合衆国に次ぐ世界第2位の地位を獲得し,経済大国といわれるまでに発展を成し遂げることができました。
 しかし,1991年のバブル崩壊以降,日本経済は30年間にわたって「失われた30年」といわれる経済の停滞に苦しみ,2010年には,国民総生産で中国に追い抜かれて,世界第3位となり,このままの状態が続くと,いずれ,国民総生産においてインドに抜かれることが予想されています。
 国民の豊かさの指標である女性の地位の向上,賃金の上昇率に目を転じると,女性のリーダーの割合においても,労働生産性・賃金上昇率においても,わが国は,OECD諸国の中で最下位レベルというみじめな地位に成り下がっています。
 なかでも,生活の豊かさを図る上で重要な指標とされる賃金の上昇は,労働の生産性の向上によって得られるものです。ところが,わが国は,ハンコ文化ともいうべき,「紙と印鑑」に依存する体質から脱却できていない結果,机や棚は紙の書類で埋ったり,ハンコの羅列した稟議書がどこかで停滞していたりというように,意思決定や経営判断に必要以上の時間がかかってしまい,労働生産性・時給の向上どころか,むしろ,低下を招いています。
 労働生産性を向上させる鍵とされている「紙文化」からの脱却の決め手となるペーパーレス・キャッシュレス化を含むデジタル化の点において,わが国は,アジア諸国の中でも,その地位を下げ続けており,わが国は果たして先進国といってよいのかどうか危ぶむ声も聞こえてきます。
 そこで,これらの問題を一挙に解決するための政策として,わが国の政府が採用したのが,わが国を「デジタル社会(IOT(モノのインターネット),AI(人工知能),Cloud(クラウド・コンピューティング・システム)という三種の神器を利用して,労働生産性が向上する社会)」にすることでした(デジタル社会形成基本法1条, 2条参照)。
 デジタル化の桎梏となっている制度を変更するために最初に狙われたのが,情報の流通を阻害している,過剰と思われるほどの個人情報の保護でした。つまり,個人情報の利活用のために,個人情報保護法,個人情報保護条例を改正することが必要と考えられたのです。今回の個人情報保護法の改正によって,その第1条(目的)に,以下の括弧内の文言が追加されたのが,その象徴です。

 この法律は,「デジタル社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み」,…「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ」個人の権利利益を保護することを目的とする。

 わが国の労働生産性を向上させるために,「紙依存の文化」から脱却し,デジタル化を進めることは,確かに,必要不可欠です。現在,商業的に価値を高めつつある個人情報の利活用がデジタル化にとって重要であることも理解できます。しかし,そのことによって,個人の権利利益が損なわれることがあってはなりません。
 このように考えると,個人情報保護法の改正,および,それに続く,個人情報保護条例の改正が,個人の権利利益を害することがないように監視することが私たちの責務となっていると思われます。


Ⅰ 個人情報保護法改正(2021年)で何が変わったのか?
1.三つの法律を一つに統一
 画像これまで,個人情報保護に関しては,行政機関個人情報保護法,独立行政法人等個人情報保護法,民間を対象とする個人情報保護法という3つの法律が並存していました。そればかりでなく, 2千以上の自治体の個人情報保護条例が存在していました。
 その結果,同じような病院でも,国立病院には,「行政機関個人情報保護法」が適用され,大学病院には,「独立行政法人等個人情報保護法」が適用され,民間の病院には「個人情報保護法」が適用され,市立病院には,「個人情報保護条例」が適用されるなど,適用される法令がまちまちであり,適用の結果も異なるという不都合が生じていました。
 画像そこで,今回の2021年の大改正によって,これら3つの法律が個人情報保護法(以下,単に「法」と略す)に統一されました。条例についても,来年までに,それぞれの自治体の地域特性等による多様性を保ちながらも,個人情報保護条例の基本的な概念と効果について統一化する試みも始まっています(法108条〔条例との関係〕)。


2.仮名加工情報の新設
 これまで,個人情報を一般的に活用するための手段としては,匿名加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって,当該個人情報を復元することができないようにしたもの(法2条6号))によって,匿名化する方法しかありませんでした。
 今回の改正で,第三者には提供できませんが,内部でデータ処理する場合の便宜を図るために,仮名加工情報(他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報(法2条5項))という簡易な匿名化方法を利用することができるようになり,個人情報に関する内部的なデータ分析が容易になりました。


3.個人関連情報の新設
 これまで,個人情報保護の対象とされてこなかったクッキー(Cookie)などのインターネットの閲覧記録についても,「個人関連情報」(2条7項)という新しい名称が与えられ,データマネジメントプラットフォーム(DMP)にその加盟するWebサイトがデータの突合せをすることについて本人の同意を得ていることを確認しなければならないという義務が課されることになりました(31条1項)。
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4.個人情報取扱事業者等の規制の強化
 個人情報を取り扱う事業者に対しては,情報分析で利用する場合に個人情報の利用目的を特定する義務(法17条,18条),保有個人データに関する公表義務事項の追加(法32条),不適正な利用の禁止(法19条)など,個人情報の取得,保管,利用・利用の停止の各段階において規制の強化がなされました(法22条~30条)。
 同様にして,行政機関に対しても,個人情報の保有の制限等(法61条),利用目的の明示義務(法62条),不適正な利用の禁止(法63条),適正な取得義務(法64条)のほか,管理に関しても様々な義務が強化されています(法65条~75条)など。


5.本人の権利の強化
 プライバシーの権利については,以前から,情報コントロール権という概念の下に,本人の権利が強化されてきましたが,個人情報保護法においても,今回の改正によって,本人の情報追跡権(法27条~30条)が規定されました。また,本人の開示請求(法32条・33条,法77条~89条),訂正請求(法34条,法90条~97条),利用停止請求(法35条,法96条~103条)の権利が認められています。個人情報の活用に関しては,行政機関に対して行政機関等匿名加工情報の提供等(法109条~123条)について,規定が新設されています。


6.罰則の強化
 罰則も強化され(法176条~185条),法人ついては,1億円の罰金が科される可能性が出てきました(法184条)。


7.個人情報に対する過剰反応・過剰保護にも注意が必要
 以上のように,今回の個人情報保護法の改正を通じて,個人情報の保護が進展しています。このように,個人情報の保護は大切であり,法改正の動向を理解することが大切です。
 その一方で,個人情報も絶対的・優越的な権利ではなく,個人の権利・利益の一つに過ぎないことも承知しておく必要があります。最近では,個人情報に過剰に反応したり,過剰に保護したりすることによって,以下のように,人命にかかわる情報が利害関係者にさえ提供されないという弊害も生じています。

(1)2005年4月25日のJR福知山線脱線事故
 被害者の家族からの安否確認を搬送先の一部病院が拒否したため,大きな混乱が生じました。病院側が,第三者提供の制限(法27条)などに違反することを危惧したこと,すなわち,過剰反応が原因でした。

(2)2011年の東日本大震災,2015年9月の関東・東北豪雨
 2005年4月25日のJR福知山線脱線事故における個人情報に対する過剰反応・過剰保護の弊害に関する教訓は,その後の災害の際にも生かされませんでした。
 2011年の東日本大震災や2015年9月の関東・東北豪雨のような大規模事故の場合には,安否確認のために被害者の氏名などを必要な範囲で家族に提供することができるのにもかかわらず(法27条),この場合も,過剰反応によって,関係当局が行方不明者・氏名を公表せず,安否確認が遅れてしまいました。
 個人情報保護法の目的は,個人情報の保護そのものではなく,「個人の権利利益」を守ることにあります。個人情報保護だけが極度に優越した扱いをすることは,保護されるべき諸般の権利利益が損なわれることになりかねないということに注意しなければなりません。


Ⅱ 個人情報に関する様々な概念とその定義
 今回の個人情報保護法の改正では,個人情報に関する様々な複雑な概念の定義がなされています。ここでは,その中で,非常に大切な概念について,フロチャート等の図を使って説明します。

1.個人情報とは何か?
 「個人情報」とは,生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により,特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいいます(法2条1項)
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2.単独で個人情報となる「個人識別符号」とは何か?
「個人識別符号」とは,右の図の第1号個人識別符号,または,第2号個人識別符号に該当する文字,番号,記号その他の符号のうち,政令で定めるものをいいます(法2条2項)。 画像














3.要配慮個人情報とは何か?
 「要配慮個人情報」とは,本人に対する不当な差別,偏見等の不利益が生じないように,その取扱いに特に配慮を要する記述が含まれる個人情報のことをいいます(2条3項)。
 この情報には,以下のものであって,個人が識別される情報が含まれます。
1. 人種
2. 信条
3. 社会的身分
4. 病歴
   ① 心身の機能の障害,健康診断等の結果,診療情報・調剤情報
5. 犯罪の経歴
    刑事事件に関する手続,少年の保護事件に関する手続
6. 犯罪により害を被った事実
    このような「要配慮個人情報」に該当する情報については,以下のような効果が発生します。
      A. 取得制限:原則として本人の事前同意が必要(法20条2項)
      B. 漏えい等の報告の対象となる(法26条)
      C. オプトアウト方式による第三者提供が禁止される(27条2項)
      D. 利用停止等の請求の対象となる(35条1項)


4.個人データとは何か?
 「個人データ」とは,「個人情報データベース等」を構成する個人情報のことをいいます(法16条3項)。それでは,「個人情報データベース」とは,どのようなデータベースなのでしょうか。
 「個人情報データベース等」とは,個人情報を含む情報の集合物であって,特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの(法16条1項1号),又は,特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの(例えば,名刺の束を50音順見出し付きホルダーに整理して収納したものなど)をいいます。
 「個人データ」に該当すると,その効果として,個人情報に関する義務にプラスしてさらに多くの義務が個人情報取扱事業者に課されます。
 「個人データ」のうち,本人の権利(33条(開示請求),34条(訂正請求),35条(利用停止請求),39条(事前請求))が強化されたものは,「保有個人データ」と呼ばれています(法16条4項)。

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5.保有個人データとは何か?
 個人データとの関係でも触れましたが,「保有個人デ-タ」とは,個人情報取扱事業者が,開示,内容の訂正,追加又は削除,利用の停止,消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人デ-タであって,その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの以外のものをいいます(16条4項)。
 保有個人データについては,プライバシーポリシーに記載すべき事項として,以下の項目が規定されています(法32条)。
 1.当該個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名
 2.全ての保有個人データの利用目的
 3.手数料の額を定めたときは,その手数料の額
 4. その他,保有個人デ-タの適正な取扱いの確保に関し必要な事項として政令で定めるもの(安全管理措置,苦情の申出先など)


おわりに
 2021年の個人情報保護法の改正によって,これまで,3つの法律(行政機関個人情報保護法,独立行政法人等個人情報保護法,個人情報保護法)に分かれて規定されていた「個人情報保護」が,一つの法律に統合されました。
 さらに,改正個人情報保護法は,2023年までに,2,000以上ある各自治体が制定している個人情報保護条例をこの法律に従って,統一化することを狙っています。
 しかし,個人情報保護法が制定される以前から,各自治体は,個人情報保護条例を制定し,個人情報を保護する取り組みを重ね,先進的な制度を創設してきました。
 今回の法改正は,遅れてやってきた国の法律が,先進的な自治体の試みを「個人情報の利活用」に配慮して,制限的に統一しようとする試みであり,先進的な自治体の試みを阻害するおそれがあるものとなることに注意しなければなりません。
 確かに,自治体の個人情報保護条例の中には,個人情報の過剰保護となっていたり,デジタル社会の形成にとって阻害要因となったりしているものがあることは否定できません。しかし,自治体の先進的な試みを画一的に制限することは,これまで自治体が獲得してきた住民の信頼を破壊するおそれがあります。
 したがって,自治体が,改正個人情報保護法に従って,個人情報保護条例を改正するに当たっては,これまでの国の取組みに先立って行ってきた先進的な試み,地域の特性を活かしながら,改正個人情報保護法との調和を実現することが重要だと思われます。


参考文献
[石井他・個人情報コンメンタール(2021)]
 石井夏生利=曽我部真裕=森亮二編著『個人情報保護法コンメンタール』勁草書房(2021/2/20)
[宇賀他・自治体職員のための個人情報保護法(2021)]
 宇賀克也=宍戸常寿=髙野祥一『法改正に対応すべき実務がわかる!自治体職員のための2021年改正個人情報保護法解説』第一法規(2021/11/15)
[岡村・個人情報保護法の知識(2021)]
 岡村久道『個人情報保護法の知識(第5版)』日経文庫(2021/7/16)
[影島・個人情報保護・マイナンバー(2022)]
 影島広泰(監修)日本経済新聞出版(編集)『これで安心! 個人情報保護・マイナンバー 新版』日本経済新聞出版(2022/3/17)
[齋藤・個人情報保護法改正と自治体(2021)]
 齋藤裕他(日本弁護士連合会情報問題対策委員会編)『個人情報保護法改正に自治体はどう向き合うべきか―リセットされないための処方箋 (信山社ブックレット)』信山社(2021/1/31)
[庄村他・DXと自治体の個人情報保護の行方(2022)]
 庄村勇人=中村重美『デジタル改革と個人情報保護のゆくえ「2000個の条例リセット論」を問う』自治体研究社 (2022/2/10)
[園部他・個人情報保護法の解説(2018)]
 園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)
[第二東京弁護士会・改正個人所法保護法の実務対応(2021)]
 第二東京弁護士会 情報公開・個人情報保護委員会編『令和2年改正 個人情報保護法の実務対応-Q&Aと事例』新日本法規出版 (2021/3/12)
[田中=北山・個人情報保護法Q&A(2020)]
 田中浩之=北山昇『令和2年改正個人情報保護法Q&A』中央経済社(2020/8/1
[田中=蔦他・改正個人情報保護法超入門(2022)]
 田中浩之他編著『60分でわかる! 改正個人情報保護法 超入門』技術評論社 (2022/3/28)
[福岡他・IoT,AIの法律と戦略(2019)]
 福岡真之介=桑田寛史=料屋恵美『IoT・AIの法律と戦略』〔第2版〕商事法務(2019/3/30)
[渡邉・改正個人情報保護法Q&A(2021)]
 渡邉雅之『令和2年改正個人情報保護法Q&A 増補版―ガイドライン対応実務と規程例』第一法規; 増補版 (2021/9/11)

例会風景

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