事務局 〒879-1506 | |||
大分県速見郡日出町3904-6 | |||
医療法人 久寿会 鈴木病院 | |||
TEL:0977-73-2131 FAX:0977-73-2132 | |||
会長 | 上 野 公 則 | ||
副会長 | 鈴 木 貫 史 | ||
幹事 | 河 野 一 幸 | ||
広報委員長 | 佐 藤 英 隆 |
例会日 | 火曜日 | 19:00 | |
会 場 | 日出町 | 別府湾ロイヤルホテル |
■ 出席報告 | 吉弘秀二会員 | ||
会員総数 | 12名 | ゲスト | 6名 |
会員出席数 | 9名 | ビジター | 0名 |
会員出席率 | 75.0% | 出席者数 | 15名 |
前々回出席率 | (7月3日)76.9% | 修正出席率 | (7月3日)91.7% |
100%連続回数 | 0回 | 100%通算回数 | 366回 |
出席免除会員 | 山田滋彦 |
● メイクアップ | |
事前 | 上野公則会員・河野一幸会員(別府東RC) |
事後 | 佐々木明会員(別府東RC・7/3分) |
● 欠 席 | 遠藤克尚会員、佐藤英隆会員、 本多和夫会員 |
点鍾 | 19:00 |
ロータリーソング | それでこそロータリー |
ゲスト | 木付尚已様(日出町総務課長)、梶原新三様(日出町政策推進課主幹兼広報広聴係長)、森若慶太郎様(日出町総務課行政係主任)、久多羅岐仁美様(日出町政策推進課)、髙宮勝美様(別府中央RC会長)、前田哲矢様(別府中央RC幹事) |
ビジター |
会長 上野 公則
この度の集中豪雨により被害を受けられました皆様に、心からお見舞い申し上げます。一日も早く復旧されますことを心よりお祈り致します。
さて、今年度は、私の方針でもある 「日出町を知ろう」 ということで、日出町の8人の課長に、ご登壇をお願いしております。本日はその第一弾といたしまして、総務課の木付課長をはじめ、4人の方がお見えになってくれています。役場の事業の中に、「町政ふれあい講座」という事業が政策推進課にあり、梶原係長・久多羅岐さんが担当されており、快く引き受けていただきました。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。なお、お二人は町報 「ひじ」 の担当でもあり、日出RCのPRをして頂けるのもこのお二人の力にかかっておりますので、特によろしくお願い致します。
また、別府中央RCの高宮会長 ・ 前田幹事がご挨拶にお見えになってくれております。高宮会長は日出町在住の方であり、近年会員増強で、多大な貢献をなさった方です。ぜひ、日出RCにもお力を貸して頂ければと思います。
本日の卓話の内容は、昨年の3月11日の東日本大震災以来、クローズアップされています、身近な防災の話をしていただけるようです。「災害は忘れた頃にやってくる」とよく言われております。しかし最近は、「災害は忘れない内にやってくる」とばかりに、毎日のように、「未曾有の大災害」や、「想定外の出来事」など耳にしますが、日出町内でも、100件を超える災害が発生したとのことです。私の仕事でもある、「建設業協会」と「日出町」は、防災協定書を締結していますが、更なる機能を充実させるため、総務課はじめ、各事業課と意見集約をしているところでもあります。
防災は、地域力だと思います。「自助」「共助」「公助」 の効率的な組み合わせを実現するためにも、今回の卓話は、意味ある機会だと思いますので、話を聞き、実践し、地域力推進の原動力となれるようお願いします。
河野一幸会員(S) : | |
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次週例会を欠席いたします。ご迷惑おかけします。 | |
別府中央RC髙宮勝美会長、前田哲矢幹事が就任挨拶の為、来訪され、ニコボックスを頂きました。 |
日出町総務課長 木付尚已様
1.はじめに
防災施策について、日出町はどちらかと言えば「遅れている」自治体だった。その理由は、ひとえに災害が少なかったからだが、日出町には大きな河川こそ無いものの海と山に挟まれた地勢であるため、津波や土砂災害などが発生する危険性は高いと言える。特に、今後30年以内に70%近い確率で起こるとされる「東南海・南海地震」は、当町にも5m近い津波をもたらすとされ、その対策は急務である。
昨年の東日本大震災以降、加速する日出町の防災事業についてご紹介する。
2.日出町の主要な防災事業
①防災行政無線の整備
日出町では津波災害を見据え、平成22年度から防災行政無線の整備を行っている。これにJ-ALERTを接続することにより、有事の際は防災行政無線が自動的に起動し、休日や夜間においても町民に対し迅速な情報伝達を行うことができる。(図1参照)
整備事業は8カ年計画で進行。沿岸部を中心に少しずつ子局の設置数を増加させていき、最終的に41基の子局を設置する予定。総事業費約165百万円(図2参照)
【図1:防災行政無線・J-ALERTイメージ】
【図2:整備事業計画表】
年度 | H22 | H23 | H24 | H25~H29 |
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整備施設 | 防災無線親局、子局 9基、J-ALERT |
子局4基 | 子局8基 | 子局20基 (年間4基ずつ) |
事業費 (万円) |
4,472 | 1,228 | 3,088 | 7,720 |
主な財源 | 臨時交付金、 J-ALERT補助金 |
防災施設等整備 事業債 |
緊急防災減災事業債 | 防災施設等整備 事業債 |
②防災用備蓄倉庫の整備
日出町では、小中学校を中心とした15の施設を「大規模災害避難所」に指定しているが、これまで防災用資機材等の備蓄がほとんどなされていなかったため、昨年度、小中学校8校に防災用備蓄倉庫を設置。今年度は、「大規模災害避難所」に指定されている残りの7施設について、防災用備蓄倉庫の設置を行う。
なお、資機材については、毛布や簡易トイレ、発電機や投光器、リヤカーなどを当倉庫で現在備蓄している。食糧及び飲料水の備蓄が乏しいため、今後の検討課題である。
【事業期間】平成23~24年度
【事 業 費】21,779千円
【財 原】町単費1/2、県補助金1/2
③防災マップの作成(見直し)
自分の居住する地域にどんな災害の危険が潜んでいるかを町民に知ってもらうことで、災害への備えや迅速な避難を促すことを目的に、日出町では平成21年度に防災マップを作成し、全戸に配布した。しかし、昨年の東日本大震災を受けて津波の被害想定や指定避難所などが見直されたため、今年度、津波災害に特化した防災マップを作成する。
マップは紙ベースだけでなく、インターネット上でも閲覧でき、さらに津波高に応じて浸水域のシミュレーションができるようなGISシステムの構築も行う予定。
【事業期間】平成24年度
【事 業 費】6,000千円
【財 原】町単費3/8、県補助金3/8、国補助金1/4
④防災士の養成
防災に関する専門的な知識を持つ「防災士」を各地区1人ずつ養成し、地域の防災リーダーとして配置することで、自主防災組織の活性化を図る。およそ90人の防災士を養成し、各々の地区で防災活動(防災訓練の企画・防災計画の策定など)に従事してもらう。
【事業期間】平成24年度
【事 業 費】800千円
【財 原】町単費1/2、県補助金1/2
⑤海抜表示板の設置
昨年度、沿岸部を中心に町内の250箇所の海抜高度を測量し、海抜表示板を電柱等に設置した。表示板設置箇所は、区長から要望のあった中から、おおむね海抜50m以下の場所を選定した。
【事業期間】平成23年度
【事 業 費】2,700千円
【財 原】町単費1/2、県補助金1/2
臼杵徳二会員
防災士の資格(年齢)について質問したところ、制限はないとの事。海辺に住居が有る為ちょっと興味がありました。
山田滋彦会員
日出町総務課 森若 慶太郎
平成23年3月11日、宮城県沖で発生した「東北地方太平洋沖地震」は、M9.0という国内史上最大のエネルギーで大津波を引き起こし、死者・行方不明者2万3千人超、建物全半壊16万戸超という、未曾有の大災害「東日本大震災」へと発展した。
私たちの派遣先である宮古市は、岩手県三陸海岸に面し、人口5万9千人弱に対し面積1,259.89k㎡という広大な市である。漁業が盛んで、沿岸部を中心に発展した当市も今回の震災で大きな被害を受け、死者・行方不明者は769人、建物全半壊は4,675戸に上る。
大分市が被災地支援のため、3月26日から週代わりで宮古市に派遣してきた保健師チームの不足分を補填するために、別府市から2班、臼杵市から2班、そして日出町から1班、計5班の災害派遣チームが組まれ、私たち日出町チームは6月3日(金)~11日(土)までの9日間、宮古市に派遣されることになった。
岩手県のいわて花巻空港に到着後、私たちは空港から130km離れた宮古市へ向かった。空港が内陸部にあるため、この時点では震災の影響は全く見られない。のどかな山間の風景が延々と続く。ただ、たまに自動車の残骸を積んだトラックとすれ違う。
宮古市市街に近づくにつれ、警察や自衛隊車両が多く見られるようになり、急にものものしさが増してくる。宮古市市街に入り、中心部である宮古駅付近から景色が変わり始めた。ひん曲がったガードレール、剥がされた歩道の縁石やアスファルト、店舗のひしゃげたシャッター。除々に点灯していない信号機が目立つようになり、大きい交差点では警察官が手信号で交通整理をしている。さらに車を先に走らせると、開口部にベニヤ板を打ち付けていたり、1階部分の壁がなくなった家屋が多く見られるようになる。かろうじて残った外壁には、赤のスプレー缶で「解体OK」と書かれている。海岸線に並行して走る国道45号線沿いに建つ家屋は、海からかなりの距離(4~500m)があるにもかかわらず、大半がそのような状態だった。宮古市を流れる2級河川、閉伊川にかかる宮古大橋を渡る。その100mほど上流に橋脚のみ残された橋が見える。JRの鉄道のようだ。川を遡りながら猛威を振るった津波の恐ろしさがうかがい知れる。
私たちの活動場所である河南仮設住宅の入居世帯のおよそ半数が暮らしていた「金浜地区」を視察した。市街地よりも海岸に近い地域だ。その場所には、比較的高台にある4,5軒の家屋と数本の電柱、そして家屋の基礎以外、全てが無くなっていた。残された基礎の数から、震災前は多くの家屋が立ち並んでいたのだろう。しばらく基礎を眺めていると、玄関や炊事場、風呂などの場所が分かる。3ヶ月前まで多くの人たちの生活がそこにあったのだと、改めて気付かされる。側溝は泥で潰され、道路には海砂が堆積している。その砂がなくなるまで山へ伸びた道路を上り、海側へ振り返ると、この地区を襲った津波がいかに高く、広範であったかが分かる。金浜地区を守っていた防潮堤は、高さが約7m、厚みも十分でかなり強固なものだったが、一部は波に砕かれ、一部は押し倒されてしまった。
今回の震災について地元の方に話を聞いた。昔から多くの津波被害を経験してきた東北地方沿岸地域は、防潮堤の整備事業にどこよりも力を入れてきた。また、津波を想定した避難訓練も、各地区で毎年行ってきた。実際、1960年のチリ沖地震で発生した大津波は、金浜地区の防潮堤を越えることはなかったそうだ。津波への対策はハード面もソフト面も万全なはずだった。そのおごりがあったのか、今回の震災では、地震発生から津波襲来までの40分間、逃げない人や、津波を見物するために逆に沿岸へ来た人が多くいたそうだ。「全ては人の意識次第だ。いくら訓練を重ねても、いくら対策を施しても、人の心を変えるのは難しい。」地元の方の言葉が印象的だった。
崩れかけている防潮提に上り、海を見渡してみた。防潮提から海面までのその高さを見たとき、逃げなかった人たちが愚かであるとは、私たちには到底思えなかった。ただ、津波に対する正しい心構えがあれば、もっと多くの人の命が助かったかもしれない。
「防災」はよく「風邪の予防」に例えられる。風邪を予防するためのうがいや手洗いは、個人個人が行うものだ。行政及び医療機関も、予防接種や風邪予防のための広報などは行うものの、住民全員の風邪を予防することは到底不可能であり、できることは限られている。自分の健康を守るのは自分自身に他ならないよう、災害が発生した際、自分や家族を最前線で守るのは自分たち自身なのだと思う。
住民の皆さんには、万が一の災害に対し、「正しい心構え」を持って「日頃の備え」を大切にして頂きたい。町としても、防災行政無線の整備をはじめ、今後益々の防災施策を展開していく。個人・地域・行政が一体となり災害対策を進めていくことが、「防災」のあるべき姿だと考えている。
日出町役場森若様・梶原様・木付様・久多羅岐様 (向かって左より) |