お盆は日本では8月の行事として定着しています。正式には「盂蘭盆会」といいインドの梵語「ウランバーナ(逆さづりにされた苦しみ)」に語源を持つ。
お釈迦様のお弟子で目連尊者という方がいました。神通力に長けていた目連尊者は亡き母親が今何処に生れているのか気になり、神通力で六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)を見に回った。天上界にも人間界にもいない。まさかと思った餓鬼道に母親は堕ちていた。目連尊者は自分の力で救出しようとするが出来ず、失意のどん底の中、お釈迦様に相談しました。するとインド中の僧に施しをし、その僧の力で母親は見事救われます。と言われ、実行することで母親は救われました。この時に喜び舞った踊りが盆踊りとなります。
何故、目連尊者の母親は餓鬼道に堕ちたのか。我が子が可愛く愛おしい思いが他の子との差別を生み、我が子だけという愛欲が餓鬼道へ堕ちたのです。人間の目線では親なら当たり前の愛情も仏の目線ではやはり偏った愛情なのです。
目連尊者の母親が例外ではなく、私達自身もこの愛欲の海に沈没しているのですが、それすら気づかずに生活しているのが私達です。今にも地獄・餓鬼道に堕ちても仕方ないこの私が、お盆のこの時期昔話として謂れを聞くのではなく、私自身の問題と捉え今後の人生を歩んでいく事が大切なことではないでしょうか。